GAISHIKEI LEADERSのメンバーによる「ワーキングライフ講座」、第8回目となる今回は、オンラインショップで最もカンタンに利用できる決済サービス「Paidy」を展開する株式会社エクスチェンジコーポレーション 代表取締役社長兼CEOの杉江陸氏が登壇した。

講演テーマ「就職活動する前に、考えて欲しいこと」で始まった杉江氏の90分間の講義。「仕事ができるとは、何があっても最後まで『やり抜く』ことにより所期に設定した目的が達成できる、ということ。学生時代、何か1つ徹底的に打ち込んで、『やり抜いた』と思える経験をして欲しい」

杉江氏は一貫して「やり抜くことの大切さ」を学生たちに伝え続けた。

 

杉江 陸 : 東京大学教養学部卒業、コロンビア大学経営学修士・金融工学修士。メガバンク、外資系戦略コンサルティングを経て、2006年GEコンシューマー・ファイナンス(株)に入社。マスター・ブラックベルトとして各種の改革プロジェクトに従事。同社が新生銀行グループ傘下となり新生フィナンシャル(株)へ商号変更した2009年に総合企画室長、2010年執行役員、2012年代表取締役社長兼CEO。2017年11月より、現職。

 

金融の世界を中心に大企業からベンチャーまで多彩なキャリアを歩んでいる杉江氏。「早く大人になりたかった」と大学当時を振り返る杉江氏のキャリアは、富士銀行(現・みずほFG)からスタートした。「学生時代はもっと賢い自分になれるように研究活動をしていたが、それよりもっと大切なことは早く大人になって多くの人の力を借りることだと思った。まずは色々な大人に会ってその人たちを見ながら学んでいこうと思い、銀行に行った」と振り返る杉江氏。

 

「ところで、みんなは何を基準に就職先を選ぶ?」

職種、やりがい、給料、3人の学生が立て続けに答える。

 

日本の企業、そして外資系企業、現在はベンチャーの経営者、様々なフィールドで活躍してきた杉江氏は「リーダーを基準に、就職の会社を選んではどうだろう?」という選択肢を学生たちに提示する。

 

 

「どんなことをやるにせよ、しっかり成果が出るには、社会から認められるようになるには、稼ぎが増えるためには、しっかりとしたリーダーにならなければならない」と主張する杉江氏。

「しかし、『リーダーシップを発揮したい』と願う若手の意気込みをねじ伏せるおじさん層が多いのも、現代社会の事実と知っておいて欲しい」と続ける。事実、若年層の管理職比率は下がっていると指摘する。

「『報われない若者のために、世代間機会の再分配を!』とただ嘆いたところで、誰か他の大人が親切に社会を変えてくれるわけではない。だからこそ、自分から与えられたチャンスを取りに行くこと、そして、社会制度や政治に関心を持って、自発的に変化を起こすべく選挙に行って欲しい」と同時にアドバイスも送る。

 

若手にもリーダーシップが必要とされるグローバル社会であるのに、年功序列が強く残り、若手を育てようとしない企業も存在するのは事実。「だからこそ、リーダーを基準に、就職の会社を選んだらどうだろうか?」と杉江氏は主張する。

「若手を抜擢している経営者は、自身も若い時に抜擢された経験を持っており、若い時からチャレンジすることの大切さを知っている」と杉江氏は説明する。

「ただ、みんなに覚えておいて欲しいことは、『若手を抜擢したい』と考えている企業の経営者は、必ずしも日本人だけを対象にしているわけではないということ。グローバル時代、皆さんのライバルは世界中にいる。是非自分の立ち位置を、この専修大学の中だけで考えるのではなく、世界基準で考えて欲しい」

 

 

これまでのGAISHIKEI LEADERSの方々の講演にもあったように、自分のキャリアは自分で守っていかなければならない時代でもある。プライドや失うものもほぼない大学生という時期の特性を活かして、チャレンジし、失敗し、成長していくことがまず大切なのだろう。そして、その経験が後の人生をより豊かなものにしていくのではないだろうか。

 

最後に、杉江氏が学生たちの心に響く、説得力のあるアドバイスを送った。「どこで働くにせよ、『サラリーマン』として企業にぶら下がり、逃げ切るのはバブル入社組まで。皆さん(と私を含めたポストバブル世代)は、個の力を試される。さて、就職先としてどこを選ぶか。つぶれないことを基準に選ぶのは、愚の骨頂。たいてい、『絶対につぶれない』とされる企業には、ぶら下がりオヤジがぞろぞろ居て、今後のあなたの成果を食い潰していく。ならば、何を基準に?個の力を鍛える上で、そこにあなたと共に歩んでくれるリーダーがいるか、どうか、ではないか。学生時代は、有り余る時間を『良い』思い出で満たし、ヒトや世間を好きになる(心血を注ぐ価値のあるものと思えるようになる)ために、ぜひ何か打ち込めるものを見つけてください」

 

 

何か1つ徹底的に打ち込んで、『やり抜いた』と思える経験。まるで人生の夏休みのように自由に時間を使える大学生の4年間。改めて、その時間は貴重であると身に沁みる90分であった。

(文・堀内恵悟)

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