2016年の専修大学のワーキングライフ講座、第3回目はモルソン・クアーズ・ジャパン代表取締役社長の矢野氏です。

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GAISHIKEI LEADERSによる専修大学での連続講義は、3回目を迎え、あまりの面白さに教室は常に満室だ。普段の授業では聞くことのできない話ばかりで、学生たちは毎回楽しみにしている。そして、今回のゲストは、モルソン・クアーズ・ジャパン株式会社代表取締役社長 矢野健一氏。お昼後の講演だったため、まずは矢野氏オススメの「眠くならない体操」を皆で行い、授業がスタートした。テーマは、「成長マインドセットで21世紀サバイバルを勝ち残れ!」。

「私は、45歳までに社長になりたいと思っていました」、プロフィールを説明し始めた矢野氏がまず口にした言葉だ。「今、何か目的がある学生はどのくらいいますか。なぜ、目的を持つことが大切なのでしょうか」、矢野氏はご自身のプロフィールを説明しながら、目的が非常に大切だということを冷静に学生たちに伝えていく。目的とは、その人のアンテナであり、フィルターだ。
「学生」という肩書きはある意味最強だと私は考えていて、「学生」という肩書きのおかげで普段お会いできないような方々とも有難いことに無償でお会いさせて頂くことがある。今まで偏差値教育により、言われたことを効率良くこなす教育を受けてきた学生たちがいきなり自分自身の人生の目的を明確にすることは難しいかもしれないが、少なくとも学生のうちに興味があることにさらに興味をもち、自分自身のアンテナで情報を集め、行動することは大切なのだろう。早く動き出して損することはないのだ。以前「学生は軸を持って流されろ」とおっしゃっていた経営者がいたが、まさにその通りだ。

今回の90分間で、矢野氏が一番学生たちに伝えたいと熱を入れていたことは、日本人のマインドセットの特徴である。世界は日本人をどのように見ているのだろうか?まず、日本人は世界一「正確性」を求める人種である。例えば、新幹線の誤差は15秒以内に設定されている。こんな国は他にない。昨年アメリカにいた頃、バスで30分以上待たされることは日常茶飯事だった。2つ目は、日本人は世界一「失敗を恐れる」人種だ。切腹がその日本人が失敗を恐れてしまう理由を物語っている。3つ目は、世界一「心配性」な人種で、学生の皆さんも社会に出て、稟議書のハンコの数を見ればそれが理解できると語る矢野氏。その他にも、間接的なコミュニケーション、和を重んじる文化などリスペクトされるところも所々あるのだが、グローバルのフィールドで考えると問題が多くある日本人独特のマインドセット。我々は、「固定マインドセット」と「成長マインドセット」の違いを正しく理解し、バランスを意識しなければならないと矢野氏は本日の講義で一番声をあげて学生たちに訴えかけた。

「固定マインドセット」とは、「〜しなきゃいけない」や「〜であるべきだ」といったマインドで、周りからスマートに見られたいという人間の欲求に基づき失敗を恐れ、チャレンジをしなくなってしまう傾向があるようだ。一方、「成長マインドセット」とは、「もっと学びたい」や「力をつけたい」といったその名の通り成長をするためなら果敢に挑戦をするマインドセットだ。言うまでもなく、日本は固定マインドセットが圧倒的に強い人種である。我々日本人はその事実を認め、「成長マインドセット」を意識的に普段から取り入れなければならない。固定マインドセットも状況によっては必要なのだが、固定マインドセットだけにフォーカスしていると、グローバル社会においてどんどん衰退して いく。2021年、東京オリンピック後の日本は、ニューエコノミカルの時代になり、年収400万円以下の割合が6割を超えるというデータが出ている。「いい大学に行くべきだ」や「大企業に就職するべきだ」といった親の考え(固定マインド)に従っているだけでは、これからの時代は確実に生き残れなくなるのだと心底納得していた学生が多く見受けられた。

最後に矢野氏が印象的なビデオとともに質問を学生たちに投げかけた。「皆さんは、目的に向かう強いリーダーシップがありますか?」、「期待値を超える実行力がありますか?」、「アイディアの発展力がありますか?」、「常識に挑戦する気持ちがありますか?」。それぞれ得意不得意はあるだろうが、「成長マインドセット」は間違いなくこれからの時代を生き抜くための重要な1つのキーワードになるだろう。
Your beliefs become your thoughts, Your thoughts become your words, Your words become your actions, Your actions become your habits, Your habits become your values, Your values become your destiny. (Mahatma Gandhi )
1つの信念が、我々の運命になる。目的を持ち、果敢に挑戦してほしい。マハトマ・ガンディーの名言とともに、矢野氏の熱い90分間の講義は締め括られた。

カテゴリー: Event Reports

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